渓流釣りや登山、キャンプや山菜採りなど山でのアクティビティは、熊対策が必要な場合があります。
私は登山や釣りが趣味で、登山中に出会った方に実際に渓流釣りで熊と対峙した時のお話も聞きました。
熊よけ対策として熊よけの鈴は有名ですが、出会ってからで鈴は役に立ちません!
また、最近では熊が以前よりも人里へ下りてくることが多くなり平常時でも熊と出会ってもおかしくありません。
この記事では、実際に熊と出会った方の熊対策も含めて熊よけの方法をまとめました。
相手は野生動物なので、「これをやれば絶対安全」という熊対策はありませんが、アウトドア初心者の方や、渓流釣りや登山、山菜採りなどで山へ出かける事が多い方への熊対策の予備知識として参考になれば幸いです。
この記事で分かること
渓流釣りの熊対策に必要な、熊に対する知識
渓流釣りや登山・キャンプ、山菜採りの時に出くわす可能性のある熊についてまず知り、熊対策を行っていきましょう!
特に近年北海道では札幌市内でも熊の目撃情報が多発し、出没する可能性が高くなっています。
熊について正しい知識を身に着けて、しっかりと自分の身を守っていきましょうね。
日本で遭遇する可能性のあるクマの種類
①ツキノワグマ
本州と四国に生息、植物を主食としているが雑食性。
体色は黒色で胸にV字や三日月型の白い模様(月の輪)があるのが特徴。稀に模様がない個体もいる
<大きさ>
体長 約1.1m~1.3m
体重 オス:約80~130kg、 メス:約50~80kg
山の中の食物が不足する夏に一部のツキノワグマは人里へ出没し、農作物を荒らします。
時には、秋になっても出没し社会的な問題になることもありますよ。
②ヒグマ
北海道のほぼ全域に生息、植物を主食としているが雑食性。
体色は赤褐色と黒褐色などのタイプがいる。
<大きさ>
体長 オス:約2.0m、 メス:約1.5m
体重 オス:約150~400kg、 メス:約100~200kg
基本的には森林に生息していますが、明るい草原や河川の河口部などでも活動をすることもあります。
一度何かに執着すると、執拗に追う習性があると言われていますよ。
共通する熊の特徴
- 小さな音でも聞き分ける聴覚、わずかなニオイをかぎ分ける嗅覚を備えている。
- (犬よりも7~8倍の嗅覚とも言われています!)
- するどい爪と大きな歯を持ち、時速40Kmで走ることができる。
- また、水泳も得意で木に登ることもできる。
人間は、熊に引っかかれたり、押し倒されるだけで大けがをしてしまいます。
基本的には森林に生息していますが、どんぐり類が不作の年は食物を求めて人里へ降りてくることもあり、農作物を荒らしたり、人と出会う可能性がありますよ。
早朝や夜間など行動することが多いのでその時間帯は注意が必要です。
熊の生態
12~4月までは冬眠し(地域差あり)、冬眠から目覚めると山菜などを食べます。
➡山菜採りは注意!
6月頃に繁殖期を迎え、夏はハチミツや昆虫を探して食べ、秋にはどんぐりなど木の実を食べます。
➡登山、キャンプ、渓流釣りは注意!
注意すべき熊の習性
熊は知能・学習能力が高い!です。
熊は、本来は人を恐れて近寄りませんが、一度人を襲い人間の食べ物が美味しいと覚えてしまうと、人を襲うと食べ物が得られることを覚えてしまいます。
市街地に出没する熊も人間の出したごみや食べ物を覚えてしまい、人に対する恐怖心がなくなっている熊もいるんですよね。
そして、ゴミステーションの蓋の開け閉め、民家での冷蔵庫の開け閉めなども熊は自分で考えてできてしまいます。
熊が出没していると情報が出ている時は、ごみの管理はしっかりと行ってくださいね!
さらに注意すべき熊は、子グマを連れた母グマなんですよね。
母グマは子グマを守ろうとするため絶対逃げないのでとても危険です!
母グマと子グマの間に知らずに入ってしまうと攻撃されるので注意してくださいね。
「ツキノワグマ」と「ヒグマ」とではそれぞれ特徴が変わります。
詳細は、お住まいの地域に生息する熊情報を参考にして下さいね。
熊の特徴について把握したら、まず熊対策として大切なのは熊と出会わないことです。
次は、渓流釣りなどで熊と出会わないための熊対策についてご紹介しますね。
渓流釣りで熊と出会わないための、熊よけ対策
熊よけ対策として重要なことは、まずは熊と出会わないこと(襲わせないこと)です。
【大切な前提!!】
渓流釣りや登山などで山へ入る前に事前に熊の出没情報を調べておくことが大切です。
特に最近の出没情報があった場合は避けた方が無難です。
また、道中で熊の足跡、フンや食べた跡など熊の痕跡を見つけた場合はすぐに引き返しましょう!
<熊よけ対策>
- 対策1:熊よけの鈴をつける
- 対策2:ラジオ、笛、爆竹などの音を鳴らす
- 対策3:蚊取り線香などのにおいを利用する
- 対策4:一人ではなく複数で行動する
熊よけ対策について、それぞれ解説をしていきますね。
●熊よけ対策1:熊よけの鈴をつける。
●熊よけ対策2:ラジオをかける、笛などで音を鳴らす、爆竹などで存在をアピールする。
これらの熊よけ対策は、熊に自分の存在をアピールすることになります。
人に慣れていない熊は音を聞き、近寄ることはありません。
しかし、万が一人を襲ったことがあり、人間を襲うと食べ物が得られると覚えてしまった熊の場合、逆に引き寄せてしまう場合もあるので注意が必要です。
●熊よけ対策3:蚊取り線香などのにおいも有効。
ニオイに敏感なので蚊取り線香でも効果があると言われています。
ホームセンターなどで売っている獣よけ線香もありますよ。
この熊対策にも利用できる獣よけ線香は、人に対してもきついにおいなので風向きには注意が必要です。
熊の出没する場所で食べ物のにおいは注意が必要です!!
食べた後のゴミなどを広げておくと近寄ってきます。
熊のいる場所ではキャンプ中、食べ物を出しておくのは熊を呼び寄せる自殺行為なのでやめておきましょう!
●熊よけ対策5:複数で行動する。
熊対策としてだけでなく体調不良など万が一に備え、一人よりも複数人で行動することをお勧めしますよ。
では、熊対策をおこなっても熊と出会ってしまった時、どうすればいいのでしょうか?
次は、実際に渓流釣り中に、熊と出会ってしまった時の熊対策を紹介するので参考にしてくださいね。
熊と出会ってしまった時の対策
では、今度は熊よけ対策をしていても、ふいに熊と出会ってしまった時の対応を紹介していきますね。
【熊に出った時の対応で重要なポイント!】
落ち着いて対応する!
【熊と出会った時の対応!】
●絶対後ろを向いて逃げない!!(走らない!!)
●熊と目をそらせないで、ゆっくりと距離をとる。
➡熊は逃げるものを追う習性がある
●カメラのフラッシュや投石など刺激を与える行動は控える。
●熊がこちらに気づいている時、持っている物を使い(ザックなど)自分を熊よりも大きく見せる。
●冷静に熊撃退スプレーを準備する。(下写真)
●もしも襲われたら、両腕で首の後ろをカバーしうつ伏せになり顔やお腹を守り、背中はザックでカバーする姿勢をとる。
➡熊は死んだカモシカの肉でも食べるので「死んだふり」は通用しません。大けがを避けるための『防御』をしましょう!
●いざとなったらナイフで戦う(目や鼻の急所を狙う)
※ヒグマに対する注意点として、ヒグマは執着心がとっても強いです!
万が一、荷物などが取られてしまっても、ヒグマは荷物に執着するため、人は荷物を取り返そうとしない方が良い、と言われています。
【熊撃退スプレーについて】
●↓こちらは『ツキノワグマ用』の熊除けスプレーです。
●↓こちらは『ヒグマ対応可能』な強力な熊除けスプレーです。
ヒグマはツキノワグマより大きいため、より強力なスプレーを使用するようになっています。
より強力であるために、熊除けスプレーを人に対して使うと危険です!
自分の顔や直接皮膚に触れないようにご注意下さいね。
熊除けスプレーを使用する時は風向きにも注意が必要ですが、緊急時にそこまで意識し、移動できるか・・・という問題はあります。
また、それぞれの熊撃退スプレーについて、使用期限や誤噴射などに注意して下さいね。
熊と出会った体験談を聞くと、熊除けスプレーは実際に使う機会は稀かもしれませんが、持っているだけで安心感があり、実際に遭遇した時、心理的にも落ち着きをもたらすアイテムでもあります。
アイテムを上手く活用して落ち着いて行動できるようにしていきましょう!
知床財団HPでは、熊との遭遇した時の対処法が具体的な距離とともに紹介されています。
熊の出没する山(特にヒグマの地域)でのアクティビティへ行く前に一読しておくことをお勧めします。
このように熊と出会ってしまったら、落ち着いて行動することが大切なんですよね。
実際に熊と出会って冷静に対応するためには日ごろの熊対策への意識が大切です。
熊と遭遇した体験談から、熊対策への意識の差による熊被害の違いをご紹介しますね。
実際に熊と遭遇した方の体験談
①山菜採りに行った友人が襲われた話
山菜採りに山に入り、人が熊に襲われるニュースをよく見かけます。
「熊出没情報や実際に熊に襲われた」というニュースが出ているにも関わらず、ご友人が山菜採りに入り、熊と遭遇し熊にふくらはぎをえぐられたという方もいます。
一度人を襲った熊には注意が必要ですよ!
そして悲しいことに、人襲った熊は、駆除対象になってしまいます。
人と熊とが共存していくために、熊に人を襲わせない人間側の対応も必要です。
②渓流釣りで熊と出会った方の体験談
渓流釣りの時に、川を挟んで熊と遭遇。熊はこちらを見ていないが、自分たちには気づいている状態。
体験者は二人組で食事中だったのをすぐに片づけ、熊とは距離があるので様子を見ながら音はさ出ず、熊除けスプレーの準備だけ行っていた。
熊が少しづつ近寄ってきた時に二人で手をたたくなど音を出し、熊除けスプレーの安全ピンを外し噴射準備を行う。
・・・しばらく対峙した後、熊は後ろの茂みへ帰って行ったのですぐに退避した。
という体験をされましたが、とても運が良かったケースと言えます。
もし熊が空腹だったら、熊の接近に気づくのが遅かったら、間違った対応をしていたら・・・本当に間一髪だったと思います。
この方は普段の登山や渓流釣りの時に、熊よけスプレー、サバイバルナイフを熊対策として携帯しておられます。
万が一熊に襲われたら左手を犠牲にして熊の目や鼻など急所を狙う方法などを教えていただきました。
(できれば使いたくない技です・・・)
そしてご友人が先に出てきた山菜採りでふくらはぎをえぐられたという方です。
・・・やはり「熊に対しての認識の違い」がこうも左右する話だと感じました。
最後に熊対策について、熊の地域に遊びに行くときの心構えとして大切なことをお話しますね。
熊対策で重要な点!絶対に熊を餌付けしてはいけません!
北海道の方へ観光などに行くと、車から熊を目撃することもあります。
見た目はかわいく感じ、近寄って写真を撮りたい気持ちもわかりますが、安易に食べ物を与えてしまうと、人間の食べ物の味を覚え、その熊は人に近寄り、襲ってくるようになります。
(熊自身は餌をとろうとするだけ)
そして、人にも慣れ、人を恐れなくなります!
また、人を餌だと覚えてしまったら・・・お互いにとても恐ろしい結末ですよね。
私たちはあくまでも自然界に一緒に住まわせていただいている存在ということを忘れずに、自然と共存することはお互いにテリトリーを守ることだと思います。
熊対策で熊と遭遇しないようにすることは、私たち自身を守ることと、熊を守ることに繋がりますよ。
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渓流釣りの熊対策は?熊よけ方法のまとめ(体験談より)
渓流釣りなどで熊の生息地域へ初めて訪れる場合、熊の出没情報など事前に確認しておく事が重要です。
特に本州から北海道へ遊びに来る人は、「ヒグマ」は本当によく出没しますので熊対策についてしっかりと予習をしてきてくださいね!
そして山や森でのアクティビティの際は、熊と出会わない対策が大切でしたね。
- 対策1:熊よけの鈴をつける
- 対策2:ラジオ、笛、爆竹などの音を鳴らす
- 対策3:蚊取り線香などのにおいを利用する
- 対策4:一人ではなく複数で行動する
万が一、熊と出会ってしまったらパニックにならず落ち着いた行動をとる事が大切です。
(そのために熊撃退スプレーなどの携帯を行う事で気持ちに余裕が持てます)
- 走って逃げず、熊とゆっくりと距離をとる
- 熊と距離がある場合は刺激をしない
- 見つかっている場合は、自分を熊よりも大きく見せる
- 熊に襲われた時は、けがを最小限にするために防御の姿勢をとる
- いざという時は熊除けスプレーやナイフで戦う事も
最近では、渓流釣りや山菜採り以外でも、市街地への熊の出没、被害も出ています。
熊対策の知識を身に着け、しっかりと熊出没の情報収集をおこない、自分の身を守り、安全な熊との共存した生活を行っていきましょうね。