最近ではニュースやインターネット上で昆虫食が話題になっていますが、昆虫食はいつから始まったのでしょうか?
昆虫食が、日本や海外ではいつから始まったのか?
また、どんな虫を昆虫食として食べていたのか、昔から食べられている虫についても調査してみました。
今後、昆虫食が食糧危機の救世主になるのか?昆虫食について詳しくご紹介しますよ。
昆虫食はいつから始まったの?
最近、ニュースやインターネット上で昆虫食が話題になっていますね。
バッタ、コオロギ、タガメ、イモムシ(ワーム)などが自動販売機で販売されたり、コオロギを粉末状に加工したコオロギパウダーがパンやチョコレートに混ぜ込まれた昆虫食が売られています。
そんな話題の昆虫食ですが、日本や海外ではいつから始まったのでしょうか?調査してみました。
調べてみると、人類が昆虫食として昆虫を食べ始めた時期がいつからなのかは定かではありませんが、昆虫食は非常に古い歴史を持っていますよ。
記録に残っているところでは、人類が昆虫を食べていたという証拠は、紀元前1万年以上前にさかのぼります。
これは世界各地で発見された古代人の人糞の化石を調査したところ、昆虫食の形跡が確認されたことから分かっていますよ。
また2500~3500年前の古代ギリシャ・ローマ時代には、セミやバッタ、カミキリムシ、カミキリムシの幼虫(鉄砲虫)などが盛んに食べられていたことが知られています。
そして日本に残る昆虫食の記録としては、平安時代に記された薬物辞典「本草和名(ほんぞうわみょう)」にあります。
ここにはイナゴが薬用の昆虫食として日本人に食べられていた、という記録が残っていますよ。
さらに平安時代以降の書物には、イナゴだけでなく、カミキリムシの幼虫、カイコ、蛾の幼虫などが昆虫食として食べられていたと記されていました。
そして江戸時代にはイナゴの蒲焼が売られており、一般庶民の間ではイナゴ、タガメ、蜂の子、カミキリムシやブドウスカシバの幼虫、ゲンゴロウなどが昆虫食として食べられていましたよ。
また現在の日本でも岐阜や長野などではイナゴや蜂の子などが昆虫食として食べられているんですよね。
そんな昆虫食は現在、世界中の多くの地域でも食文化として広がっており、アフリカ、中南米、アジア、オセアニア、北アメリカの先住民などでも昆虫食の文化が存在していますよ。
●紀元前1万年以上前に昆虫を食べていたという証拠がある。
●2500~3500年前の古代ギリシャ・ローマ時代では、セミやバッタ、カミキリムシ、カミキリムシの幼虫(鉄砲虫)などが盛んに食べられていた。
●日本では平安時代にイナゴが薬用の昆虫食として、他にカミキリムシの幼虫、カイコ、蛾の幼虫などが昆虫食として食べられていたと記録がある。
意外と昆虫食は昔から食べられていたんですね。
では、そんな昔から食べられている虫にはどんな虫がいるのでしょうか?詳しく見ていきましょう!
昔から食べられている虫は何がいるの?
ここまで、人類が古くから昆虫食を文化としてきたことを説明してきましたが、実際にはどのような虫を昔から昆虫食として食べてきたのでしょうか?
人類が昔から食べてきた昆虫は多岐にわたりますが、以下に代表的なものをいくつか挙げますね。
●コオロギ
北アメリカの先住民たちは、昔からコオロギを食べてきましたよ。
コオロギは栄養価が高く、たんぱく質やミネラルを含んでいます。
●サソリ
エジプトやメキシコなどの文化では、昔からサソリが食用として利用されてきました。
●カイコ
日本でも、昔から食用として利用されてきた昆虫の一つで、栄養価が高く健康に良いとされています。
●バッタ
世界中で食用とされている昆虫の一つで、アフリカやアジア、南アメリカなどでは、昔から料理に利用されてきました。
●アリ
アフリカや南アメリカなどで、昔からアリの幼虫やアリの成虫が昆虫食として利用されてきました。
●セミ
古代ギリシア哲学者のアリストテレスもセミを好んで食べていました。特に羽化する前や幼虫の状態が昆虫食として美味しいらしいですよ。
これらの昆虫は、昆虫食として昔から食べられてきた歴史があり、栄養価が高いため、現代でも昆虫食として注目を集めています。
そして現在、世界では約19億人が2000種類以上もの昆虫を昆虫食として食べているといわれていますよ。
そんな昆虫食ですが、日常的に食べられている昆虫を多い順に並べると
カブトムシなどの甲虫、アリ、イモムシ、ハチ、イナゴ、バッタ、コオロギ、ヨコバイ、セミ、カイガラムシ、ウンカ、シロアリ、カメムシ、トンボ・・・などとなっています。
実に多種多様の昆虫食が食文化として広がっていますよ。
昔から食べられている虫は現在でも生きている虫ばかり…ずっと私たちの身近に存在しているんですね。
そんな昔から食べられ、慣れ親しんでいる昆虫ですが、なぜ現在また昆虫食が注目されているのでしょうか?
今後肉や魚に変わって昆虫食がメインになる未来はやってくるのでしょうか?
昆虫食はなぜ注目されているの?昆虫食になる未来はある?
このように、昆虫は昔から食べられているほど私たちには身近な存在でしたね。
では次に、なぜ最近になって昆虫食が話題になっているのかをご紹介しますね。
昆虫食に注目が集まる最大のメリットには、SDGsの取り組みにも含まれる「持続可能な食糧」になるかもしれない期待があるためですよ。
その理由としては、昆虫食が従来の畜産生産に比べて以下のような多くの利点を持つことが挙げられます。
【昆虫食のメリット】
●可食部位が多い
昆虫食(コオロギ、カイコ、甲虫等)は10割全てが可食部位だが、牛の可食部位は全体の約4割、また、豚は約5割しかない。
●飼育に必要な飼料・水が少なくて済む
昆虫食(コオロギ)の可食部位1kgを生産するのに必要な飼料は牛肉1kgの1/4で、必要な水は1/2500で済む。
●温室効果ガスの低減
家畜の肉と比較して、昆虫食を生産するための温室効果ガスの排出量が少ない。
●食料ロスの低減
昆虫用の飼料は牛や豚と違い人間の食べ物と違うので、バッティングしない。
●良質なタンパク源
昆虫食は非常に効率的にタンパク質を摂取することができる。
このように昆虫食は、家畜や魚と比較して、飼育や処理にかかるエネルギーや水の量が少なく、温室効果ガスの排出量が少ないとされています。
また、昆虫は殺虫剤や抗生物質などの薬品を使用せずに育てることができるため、食品安全性にも配慮されていると言えますよね。
そして昆虫は飼育や処理にかかるコストが少なく、生産量が多いため、低コストで供給することができますよ。
さらに昆虫はたんぱく質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が豊富で、肉や魚と同じくらいの栄養価があるとされています。
そのうえ昆虫食は脂肪やカロリーが少ないため、ダイエットにも適していますよ。
以上のような理由から昆虫食は、環境面や栄養面、経済面などのメリットがあります。
今後は世界人口の増加や食糧生産の課題などから、昆虫食がますます注目され、需要が増える可能性がありますね。
昆虫食はいつから始まった?昔から食べられている虫についても調査!のまとめ
この記事では、昆虫食がいつから始まったのか?また、昔から食べられている虫は何なのか?今後昆虫食が食糧危機の救世主になるのか?について調査してご紹介しました。
まず昆虫食がいつから始まったのかについては、紀元前1万年以上前から証拠が残っており、古代ギリシャ・ローマ時代にも昆虫食が盛んに食べられていましたよ。
また日本では、平安時代にイナゴが薬用昆虫食として食べられていたと記録が残っており、江戸時代や戦後まで広い範囲で昆虫食の文化が根付いていましたね。
そして人類が昔から食べてきた昆虫には、コオロギやサソリ、カイコ、バッタ、アリ、セミなど現在でも身近な虫が多かったですね。
そんな昆虫食に現在注目が集まっている理由としては、SDGsの取り組みにも含まれる「持続可能な食糧」として期待されていましたね。
昆虫食は、環境面や栄養面、経済面などのメリットを持っているので今後もますます注目される食糧の1種ではないでしょうか?
ネット上ではコオロギについてネガティブな噂もありましたが、昆虫食も私たちの生活に役立ってくれる予感ですね!