最近ではコオロギを始めとする昆虫を食用として育てる「昆虫食」が話題となっていますね。
しかし、そんな食用のコオロギには“発がん性”があるというちょっと気になる噂も聞かれます。
食用コオロギには発がん性があるのかその噂の真相について、また昆虫を食用にすることのデメリットや危険性について、なぜ昆虫食が必要なのか、そのメリットについてもご紹介しますね。
今後増えるかもしれない昆虫食や食用コオロギについて興味のある人はぜひ参考にしてみてくださいね。
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コオロギには発がん性があるという噂は本当なの?
近年、コオロギ、バッタ、イモムシ(ワーム)、タガメなどの昆虫を食用とする「昆虫食」がテレビやインターネットで話題になっています。
最近では食用のコオロギが自販機で販売、昆虫食専門のレストランなどで提供、徳島では給食にコオロギパウダーが使用されるなど、昆虫食がとても身近なものになっていますよ。
他にもコオロギビール、コオロギスイーツ、コオロギパウダー入り機内食、コオロギ味噌・醤油などの開発が国内で行われています。
そんな昆虫食の1種である“食用コオロギ”について、Twitterなどでは「発がん性がある」といったデメリットが話題になっていますね。
ここでは、「コオロギに発がん性があるという噂は本当なのか」調査しましたのでご紹介しますね。
はじめに噂の真相について結論を述べると「コオロギに発がん性があるという科学的な根拠はありません」でしたよ。
現在研究されている中で、コオロギに発がん性があると断定できるものはないに関わらず、なぜ発がん性があると噂が出回ったのでしょうか?
「コオロギに発がん性物質が含まれる」という噂について調べてみたところ、確かにTwitter上にはコオロギの発がん性を危険視する投稿が多く見られましたよ。
このコオロギの発がん性についてさらに調べていくと以下のような噂がありました。
●コオロギの外骨格であるキチン質に発がん性物質が含まれている
●コオロギの外骨格であるキチン質に発がん性のカビが発生しやすい
一方で、コオロギの発がん性の原因とされるキチン質はエビやカニなどの甲殻類、日本の一部地域で昔から食用されていたイナゴやカイコなどにも含まれており、「頻繁に食べないなら問題ない」といった投稿もありましたよ。
また、「発がん性の原因とされるキチン質は体内で分解する酵素が無い為、吸収されずに排出されるので、発がん性の危険は低い」といった意見もネット上では見られましたよ。
さらに、コオロギのキチン質は野菜の食物繊維と似たような性質があるので、腸内環境を掃除して整えてくれるといったメリットがありました。
このようにコオロギの発がん性について色々と調査してきましたが、現時点で明確な発がん性の根拠はなく、科学的な知見も存在していない状態でした。
また、Twitterでコオロギの発がん性を調べていくと、コオロギの発がん性とコロナワクチンによる免疫低下を同時に訴えているユーザーもおり、陰謀論的な扱いも一部で見られましたよ。
コロナワクチンで免疫力を下げたところに、発がん性のあるコオロギを食べさせてがんを発症させる「がん利権」を目的としているといったものです。
日本ではあまりなじみのないコオロギなどの昆虫食を推奨する最近のメディア風潮に警戒感を示す人たちがいるためだと思われますよ。
現時点はだまだコオロギに発がん性があるという科学的根拠はなく、安全性について研究中といった感じです。
もちろん食用コオロギの話なので、野生のコオロギを食べちゃダメですよ!
しかし、コオロギなどの食用の昆虫食にはデメリットもありますので、デメリットについても解説していきますね。
コオロギには発がん性がある?食用のデメリットや危険性は?
現在はコオロギの発がん性に関してはまだ研究中であり、はっきりとした科学的根拠はまだないようでしたね。
では次に、食用のコオロギにはどんなデメリットや危険性があるのでしょうか?
①寄生虫の問題
②妊娠中に食べてはいけない
③アレルギーの問題
④人間をデバイス化し操作する
ではこれらの食用コオロギの発がん性以外のデメリットや危険性についてそれぞれご紹介しますね。
食用コオロギのデメリット:①寄生虫の問題
まず食用コオロギのデメリットとして、寄生虫の問題があります。
コオロギには“ハリガネムシ”というコオロギの脳をコントロールして殺してしまう寄生虫がいますよ。
このハリガネムシに寄生されたコオロギを食べると人間に影響はあるのか調べてみました。
結論から言うと、ハリガネムシは人間に寄生しないので、脳を支配されたり、病気を発症するといった可能性は極めて低いです。
そんなハリガネムシは水辺に生息しているので、普段でも誤飲したりする例はあるようですが、ほとんどはその場で吐き出したり、便となって排出されるようですよ。
ただし、病院で腹痛を訴えた患者を調べたところ体内からハリガネムシが見つかったという報告が年に数例あるようです。
これは、生きたハリガネムシが胃や腸で暴れたために起こったようで、全くの無害ではないとのことなので注意は必要ですね。
そして、コオロギに関しては、ハリガネムシ以外にも養殖場から様々な寄生虫や病原菌が検出されたと昆虫食のデメリットをあげる投稿が見られました。
このコオロギの養殖場の問題についても調べてみましたが、ほとんどの寄生虫は75℃以上で1分以上加熱処理すると死滅させることが可能なようです。
また、養鶏場でも鳥インフルエンザが発生したり、魚の養殖場でもアニサキスやブリ糸状線虫といった寄生虫は今も起きている問題なので、そこまで神経質にならなくても良いといった意見も見られましたよ。
食用コオロギのデメリット:②妊娠中に食べてはいけない
次に食用コオロギのデメリットとしては、妊娠中に食べてはいけないということがありますよ。
中国の薬草学史上最もボリュームのある「本草綱目」という資料によると、コオロギは「妊婦に禁忌」「微毒」と記されています。
中国では乾燥させて粉末状にしたコオロギを漢方薬の原料としており、利尿作用があるとされています。
しかし一方では、コオロギには不妊作用があるため注意が必要とのことですよ。
また、妊婦がコオロギの漢方を口にすると胎児にも影響が出るというデメリットがあるようなので妊娠中の人は少し注意をした方がいいかもしれませんね。
食用コオロギのデメリット:③アレルギーの問題
また食用コオロギのデメリットとして、アレルギーの問題がありますよ。
先ほどもご紹介したエビ、カニなどの甲殻類にはトロポミオシンというアレルギー原因成分が含まれており、コオロギにも同様にこのトロポミオシンが含まれているようです。
甲殻類にアレルギーがある人がコオロギを食べた場合には、じんましん、かゆみ、吐き気、息苦しさ、耳が聞こえにくくなるといった症状を発症することがありますよ。
昆虫だからと安心せずに、甲殻類のアレルギー持ちの人は少し気をつけてくださいね!
食用コオロギのデメリット:④人間をデバイス化し操作する
さらに食用コオロギのデメリットとして人間をデバイス化して操作するという話がありましたよ。
コオロギとは関係ないSFチックな話になってきましたが、コオロギ食のデメリットとして人間が操作されると危惧される投稿が見られました。
これは、コオロギの脚に含まれるグラフェンという物質が体内で蓄積されると、5Gの電波で人間を操ることができるというもののようです。
この考えは新型コロナワクチンの時にも反ワクチンを訴える人たちがTwitter等で投稿しているのを見かけました。
この考えについては科学的な実証は得られておらず、コオロギ食に反対する人たちの間で噂として広まった可能性が高いようですね。
このようにデメリットも見られるコオロギ食ですが、なぜコオロギを食用にする必要があるのでしょうか?
昆虫を食べるなんて「うぇー」ってなりそうだけど、わざわざ昆虫を食べるメリットってあるのかな?
では次に、なぜコオロギをわざわざ食用にするのか?昆虫食にはどんなメリットがあるのかを解説していきますね!
コオロギをなぜ食用にする必要があるの?昆虫食のメリットは?
次に、なぜ発がん性やアレルギー等のデメリットやリスクなども噂されている食用コオロギなどの昆虫食に最近注目が集まっているのか、昆虫食のメリットは何があるのでしょうか?
①飼料が少なくて済む
②食用部位が多い
③栄養価が高い
④環境負荷が少ない
⑤飼育時期が短く、出産数が多い
⑥人間に感染させる病原菌を媒介しない
ではこれらの昆虫食のメリットについてそれぞれ詳しく解説していきますね。
食用コオロギのメリット:①飼料が少なくて済む
食用コオロギなどの昆虫食のメリット1つ目は、昆虫を育てるのに必要な飼料が少ない点がありますよ。
これは、1kgの収穫を得るのに要する飼料を示す「飼育交換率」という数値がありますが、コオロギと牛を比べてみると以下のようになります。
※「飼育交換率」は数値が高いほど効率よく収穫が行えることを示していますよ。
●コオロギの飼育交換率は50%(コオロギ1kg生産するのに飼料が2kg必要)
●牛の場合は12.5%(牛の重量を1kg増やすのに飼料8kgが必要)
このようにコオロギと牛では大きく違います
また、コオロギと牛を育てるのに必要な水は、牛肉1kg生産するのに20,000ℓの水が必要なのに対し、コオロギはわずか8ℓの水で同量の収穫ができますよ。
最近注目されているSDGsの視点からもコオロギ等の昆虫食にはメリットが高いようですね。
食用コオロギのメリット:②食用部位が多い
また、食用コオロギ等の昆虫食は、全てが可食部位(食べられる部分)というのがメリットの2つ目に挙げられますよ。
食用コオロギ等の昆虫食と豚や牛の可食部位を比較してみましょう。
牛の可食部位はサーロイン、ロース、ヒレ等、実は全体の約4割しかありません。
また、豚の可食部位もロース、かた、ヒレ、ばら等、全体の約5割しかありませんよ。
これら牛や豚と比較し、食用コオロギ等の昆虫は10割全てが可食部位となっている為、最近問題となっている食品ロスの点においてもSDGsに貢献しますね。
食用コオロギのメリット:③栄養価が高い
また昆虫食のメリットとして、栄養価が高いことが挙げられますよ。
昆虫食の栄養価の一番のメリットとして、タンパク質が豊富に含まれていることが注目されています。
乾燥させた昆虫食には全体の7~8割のたんぱく質が含まれていると言われていますよ。
この昆虫食から得られるたんぱく質は動物性たんぱく質と呼ばれる必須アミノ酸のBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)であり、大豆に含まれる植物性たんぱく質とは異なるものです。
また、たんぱく質の他にも体に良い脂質(不飽和脂肪酸等)、亜鉛・マグネシウム・カルシウム・鉄分等のミネラル、甲殻のキチン質に含まれる食物繊維などがありますよ。
食用コオロギのメリット:④環境負荷が少ない
そして昆虫食のメリットとして、生産する際の温室効果ガスの排出量が少ないことが挙げられますよ。
食用コオロギ等の昆虫食と豚、牛、鳥について、それぞれ1kg生産する際に排出される温室効果ガスの量を比較してみましょう。
昆虫は牛と比較し約10分の1の排出量
豚と比較し約3分の1の排出量
鳥と比較しても約2分の1の排出量
⇒昆虫の方が温室効果ガスの排出を抑えることができる
このように昆虫食は、温暖化の原因とされる温室効果ガスの排出量をこれまでの食肉生産から大幅に低下させることが可能となっていますよ。
食用コオロギのメリット:⑤飼育時期が短く、出産数が多い
さらに食用コオロギ等の昆虫食のメリットとして、出荷までの飼育期間が短く、1匹当たりの昆虫から生まれる卵が多いことが挙げられます。
一般的に食用の牛(体重は約720kg)の出荷には約28ヵ月前後が必要で、そのうち可食部位が約4割なので、28ヵ月で約288kg分を出荷できる計算になります。
一方、食用コオロギは、50匹の成虫を飼育した場合、32日後から毎日6,000匹のコオロギが出荷出来ます。
これを重量に換算すると、仮にコオロギ1匹あたりを100gとして牛と同期間(約28ヵ月)飼育した場合、約484kg分のコオロギを生産できることになります。
この生産量は牛の可食部位の出荷量の約1.7倍になりますよ。
さらに、最初のコオロギの数を多くし、空間体積も広いところで飼育すれば、この差はもっと大きく広がりますよね。
食用コオロギのメリット:⑥人間に感染させる病原菌を媒介しない
そのうえ食用コオロギ等の昆虫食では、寄生虫や病原菌が問題視されていましたが、現在人間と昆虫を共通に媒介し悪さをするものは見つかっておりません。
これが牛、犬等の哺乳類になると
◆変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の原因になる狂牛病
◆人に感染すると致死率が高い狂犬病
◆犬やキツネを媒介とし人の臓器に重傷を与えるエキノコックス症
◆猫やネズミを媒介とし感染するとインフルエンザに似た症状を発症するトキソプラズマ症
このような人間に感染する病原体を媒介しますよ。
ただし、これらの哺乳類の生食をしたり、直接的な接触が無い場合はこれらの病原菌に感染する可能性は極めて低いです。
このように食用コオロギなどの昆虫食はメリットもたくさんあるので、今後食料危機や環境問題の点からもさらに注目を集めていくのではないでしょうか!
昆虫食の安全性の研究が進めば、もう少し身近に食用コオロギなどを食べる機会が増えるかもしれませんね。
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昆虫を食べる習慣はいつから始まったのか?【昆虫食はいつから始まった?昔から食べられている虫についても調査!】で詳しくご紹介しています。
コオロギには発がん性がある?食用のデメリットやメリットを調査!の まとめ
この記事では、食用コオロギには発がん性があるのかその噂の真相について、また昆虫食のデメリットやメリットについて調査してご紹介しました。
まず、コオロギには発がん性があるのではという噂については、現時点はだまだコオロギに発がん性があるという科学的根拠はなく、研究中でしたね。
やはり“発がん性”と言われると心配になる人も多いと思うので、ぜひ今後もしっかりと研究していただき安全性を証明してもらいたいですね。
そして、そんな食用コオロギなどの昆虫食には少しデメリットもありましたよ。
特に食用コオロギのデメリットには以下の項目が挙げられます。
- 寄生虫の問題
- 妊娠中に食べてはいけない
- アレルギーの問題
- 人間をデバイス化し操作する
このように食用のコオロギにはデメリットやリスクもあるのですが、なぜ昆虫食が推奨されているのでしょうか?
調査したところ、コオロギなどを食用にする昆虫食のメリットには以下の項目が挙げられます。
- 飼料が少なくて済む
- 食用部位が多い
- 栄養価が高い
- 環境負荷が少ない
- 飼育時期が短く、出産数が多い
- 人間に感染させる病原菌を媒介しない
昆虫食は今後の食糧危機問題や環境問題を解決してくれる鍵にもなりそうなので、ますます注目されるのではないでしょうか!
できれば安全で美味しい昆虫食ができて欲しいですね!