小説や映画で話題の『かがみの孤城』は、単なるミステリーやファンタジー作品とは言い切れないくらい、深く考えさせられる物語でもあります。
実際に『かがみの孤城』を読んだり、映画鑑賞した人で、登場する不登校の子たちや親に共感できた人にとってはいろいろ感じることがあったのではないでしょうか?
この記事では、『かがみの孤城』について伝えたいことは何だったのか?感想や意見を調査してまとめてみました。
『かがみの孤城』はとっても人に勧めたいくらい良かったです!
そんな個人的な感想も交えていますが、良かったら参考にしてくださいね。
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『かがみの孤城』で伝えたいことは何?あらすじを紹介!
2022年12月23日より映画で公開されている『かがみの孤城』は、2018年に本屋大賞を受賞した辻村深月(つじむらみづき)先生の小説が原作となっています。
そんな『かがみの孤城』は、辻村先生のデビュー作である『冷たい校舎の時は止まる』のアンサーだと思った、とまで言われファンの間でもとっても話題の作品でもありますよ。
まずは簡単に『かがみの孤城』のあらすじをご紹介しますね。
※完全なネタバレは書いていませんが、少しネタバレ箇所はあります。
『かがみの孤城』のあらすじは?
『かがみの孤城』の主人公は中学一年生の“安西こころ”。
友達からのいじめで学校に行けなくなり家に引きこもり状態だった5月のある日、突然光を放つ部屋の鏡からお城のような建物にたどりつきます。
その場には、こころと同じように学校に行っていない6人の中学生がいました。
そして、その場の管理人である“オオカミさま”に言われます。
「今日から3月30日まで、平日の9時から17時までこの城に来ることができる。その間に部屋に入った1人の者の願いを叶えることができる“願いの部屋”の鍵を見つけること」
しかし、願いを叶えるとその城での記憶がすべて消えてしまう条件がありました。
お互い名前くらいしか知らない者同士でしたが、徐々に打ち解け合い本格的に“願いの部屋”の鍵さがしをするようになります。
その中で、7人の共通点が「同じ中学校であり、学校には通えていない…」ということに気づきます。
ぶつかることもありながら、お互いの事情が明らかになりつつ、心が通い始めていきます。
そこで3学期の前、現実世界で1日だけ、同じ日にみんなが学校に行くことを約束しますが、当日誰とも会うことができませんでした…。
さらに城が閉まってしまう直前に、仲間の1人がルールを破ってしまいこころ以外のみんながピンチに陥ってしまいます。
助けられるのはこころだけ、謎を解き、みんなを救うためにかがみの孤城へと鍵を探しに助けに向かうのでした…。
このように『かがみの孤城』は、学校に通うことができなくなった中学生たち(一人は少し違う)が集まり、お互いを徐々に知ることで、絆が深まってくるというストーリーです。
しかし、そんな中にミステリーやファンタジーの要素がしっかりと組み込まれていますよ。
全体的に感動や共感するだけでなく、最後には多くの伏線も回収され物語としての構成の素晴らしさも味わうことができますよ。
ではそんな『かがみの孤城』で伝えたいことは何だったのか?考察していきましょう。
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『かがみの孤城』で伝えたいことは何?
小説や映画となっている『かがみの孤城』ですが、読む人、観る人によってそれぞれの受け取り方がありますよね。
ではそんな『かがみの孤城』で伝えたいこととは何だったのか、みんなの感想・個人的な感想なども踏まえて考察をしてみたのでご紹介しますね。
『かがみの孤城』で伝えたいこと:人と違う価値観に触れることの大切さ
これは私が映画を観て一番感じたのですが、こころにとっていじめられていたことは自分にとって大きな問題であり、願いを叶えれば解決できると考えていましたが、かがみの孤城で出会ったリオンの姉の話を聞いて、自分の悩みの小ささに気付きます。
また、こころの学校の友達である萌ちゃんのいじめをする友達に対する価値観に触れ、自分の考え方以外の考え方を知る場面があります。
ここで親やフリースクールの先生という大人だけでなく、自分と同じ年代でも違う価値観があるということに触れることは道を開くきっかけになると感じました。
これは中学生や子供世代だけの話でなく、大人である自分達も、いつでも大切なことだと思います。
自分の価値観にとらわれ過ぎて窮屈に生きている時には、ぜひ積極的に全く違う価値観に触れ、いろんな角度から物事をとらえることに気付いていきたいですよね。
『かがみの孤城』で伝えたいこと:自分の気持ちを誰かに話す
こころがなぜ学校に行けなくなったのか、“行かないではなく、行けない”ことについて母親に話すことがなかなかできませんでした。
しかし、かがみの孤城で出会った友達に話すことができ、受け入れられることで自分の世界が少し広がります。
そして母親にも素直に話すことができ、母親も強い味方になってくれました。
この、自分の本音や本心を話すことは実際なかなか難しいかと思います。
相手によると思うので、勇気がでなくて当然です。
しかし、勇気をもって話すと受け入れてくれる人が絶対にいます。
そして、そのままの自分を受け入れてくれることで自分が救われることがあります。
ずっと悩んでどうしようもならない時に、少し勇気を持って誰かに自分の気持ちを打ち明けることは本当に救われると思いますよ。
『かがみの孤城』で伝えたいこと:逃げるのも勇気
またこの『かがみの孤城』は不登校の子たちがメインでした。
学校へ不登校になることって、第三者から見ると「逃げ」と捉えられてしまうこともあると思うんですよね。
しかし、逃げないことだけが正義じゃない、無理に頑張る必要もない、むしろ、逃げることは自分を守るために戦っているという意味もあり勇気のいることだと思います。
私自身あまり学校が好きじゃなかったのですが、行かないといけないと思って無理に毎日行っていました。
もちろん無理に行っていたので、自慢できるような楽しい思い出はほぼありません…。
それなら自分の好きなように生きていた方がよかったな、と大人になってから思います。
“義務教育”と言われますが、自分達には若くても“選択する権利”がある、ということを教えてくれているのではと思いましたよ。
そしてその先には必ず自分の居場所が見つかるということも『かがみの孤城』を通して伝えられたと思います。
『かがみの孤城』で伝えたいこと:子ども側の気持ちだけでなく、大人からの目線も分かる
また『かがみの孤城』では、不登校になった子ども側の気持ちだけでなく、大人からの目線も描かれていると思います。
子どもが学校に行けなくなった時、なぜか理由が分からない時は学校に行かないことに苛立ち、理由が分かってからは娘のためにどうすればいいかと模索して…、そんな親の心情も感じ取れました。
こうしてみると、親といっても完璧な人間ではないことが分かりますよね?
子どもがこんなにも悩んでいるのに気づかないなんて…って思ってしまいそうですが、そんな親はどこにでもいます。
やはり親自身も成長中なので言わないと分からないこともあり、共に成長していくのではないでしょうか?
このように『かがみの孤城』ではミステリやファンタジーを味わうだけでなく、人生について考えさせられることもありました。
個人的な感想やみなさんの感想を参考にしてみましたが、また違ったことを感じている人もいると思います。
『かがみの孤城』は映画でも十分面白いのですが、映画だけでなくぜひ原作小説を読んで!って言いたくなるくらい、小説でももっと深いメッセージが受け取れると思います♪
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では、『かがみの孤城』で作者の辻村深月先生は何を伝えたかったのでしょうか?
『かがみの孤城』で伝えたいことは何?作者からのメッセージとは?
先ほどご紹介した『かがみの孤城』で伝えたいことともかぶるのですが、作者の辻村深月先生のインタビューでお話されていたことを簡単にご紹介しますね。
学校に行けない子に対し、「学校に行きなさい」というのではなく、「今は何もしない時なんだね」という言葉をかけてあげられる人が近くにいることが大切です。
そばにいる人がそんな子の話を聞いてあげて欲しい、ちょっとでも寄り添ってあげて欲しいというメッセージが込められていますよ。
そして大人であってもみんながちゃんとした大人ではない。
むしろ最初から大人の大人はいない。
若い人に向けては、大人も昔は子どもだったということ。
大人に対しては、中学生のお話であってもかつての自分のことなのだということを伝えたいとお話されていました。
また、「人を嫌い」だと言って良いということ。
友達を悪く思ったり、嫌ったりする自分に罪悪感を感じる人もいますが、そんな自分も認めて受け入れるということを伝えたいとも語られていました。
この『かがみの孤城』ではこころを始めとして、ささいなきっかけで学校に行けなくなった子たちがいます。
しかし、それは誰にでもおこりそうなきっかけがあり、それが自分であってもおかしくないという共感もできるお話でした。
そんな悩んでいた自分を救ってくれる、もしくは誰かを救えるきっかけとなる物語ではないかと感じます。
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かがみの孤城で伝えたいことは何?作者からのメッセージとは?のまとめ
この記事では、『かがみの孤城』について伝えたいことは何だったのか?また作者のメッセージについて調査してご紹介しました。
『かがみの孤城』では不登校の子たちがメインとなっており、誰にでも起こりうる問題をそれぞれが悩み、共感し解決へ向かっていく、観る人にとってはヒントや救いとなる物語ではないかと思います。
本文では『かがみの孤城』で伝えたいことについて触れていますが、もちろん他にもたくさんのメッセージを受け取っていると思います。
それぞれ違う価値観があり、違う感想もあり、しかしそれらすべてひっくるめてお互いを受け入れる。
そんな温かさに触れられる作品ではないでしょうか。